団体の自治・助け合いを破壊する「改正」保険業法
 2006年4月1日に施行された保険業法によって、各団体が、その目的の一つとして構成員のために自主的におこなっている共済制度が、存続の危機に追い込まれています。
 保険業法「改正」の趣旨は、いわゆる「マルチ共済」を規制し、消費者を保護することが目的でした。団体が自主的におこなう共済への規制と干渉は憲法違反であり、これまで、健全に運営してきた「仲間どうしの助け合い」に儲けの論理を押し付けることは認められません。
 自主的な共済がこれまでどおり運営できるよう運動を広げましょう。



 助け合い共済を認めよ全商連が金融庁と交渉
金融庁と交渉する全商連役員
全国商工団体連合会(全商連)は3月16日、「改正」保険業法問題で金融庁交渉をおこないました。

全商連から西村冨佐多副会長、藤栄茂行、大野豊文常任理事、安部誠三郎共済会副理事長ら10人が参加。金融庁は政平英雄監督局保険課課長補佐らが応対しました。
 冒頭、全商連共済会が助け合い共済として、一貫して制度の改善をおこなってきたことを述べた上で、(1)制度を改善し、助け合い共済をより良いものにしたい、(2)集団健診活動への助成を充実する場合などに金融庁として、規制・干渉をしないよう要望しました。
 これに対して、金融庁は「団体自治の範囲内であり、干渉する必要はない」と述べました。
 また、労働者には「勤労者の団結権」として共済を認める一方で、中小業者に対して認めないのは「法の下の平等に反するのではないか」と説明を求めましたが、回答できませんでした。
 今後も金融庁と引き続き交渉することを確認し合いました。




 保険業法の適用除外の請願新潟・燕市議会 全会一致で採択

新潟・燕民主商工会(民商)の佐藤司郎会長名で6月議会に提出していた「自主的な共済の保険業法の適用除外を求める請願」が、本会議で「願意妥当」との理由から全会一致で採択。また6月26日、燕市議会議長名で「保険業法の制度と運用を早急に見直す」ことを求め、「健全に運営されている共済を保険業法の適用から除外する意見書」が国に提出されました。



 「新潟県懇話会」が結成総会
   共済の発展へ力を一つに県連など呼びかけ 8団体から71人参加

共済の健全な発展のため力を合わせて頑張ろう、と決意し合った新潟県懇話会結成総会
 新潟県商工団体連合会(県連)などの呼びかけで6月26日、「共済の今日と未来を考える新潟県懇話会」の結成総会を新潟市内で開催し、8団体から71人が参加しました。
  呼びかけ団体を代表して、能登惣五郎新潟県連会長が、共済会の果たしている役割や「改正」保険業法の見直しを求めるとりくみなどに触れながら、「助け合いをすすめる共済の健全な発展のために、一緒に力を合わせて頑張ろう」と開会あいさつ。
  続いて、本間照光青山学院大学教授が「共済制度存続の危機‐現在と未来」と題して講演しました。
  その後、各団体から発言。県勤労者山岳連盟の代表は「遭難や事故のときの助け合いとしての共済制度を発展させ、雪崩講習会などの学習会や事故防止事業にも力を入れ、共済金を活用してきた。それだけに、今回の事態は組織存亡の危機」と述べました。
  県保険医協会の代表は「38年前に自前で共済制度を設計し、発展させてきた。『懇話会』にも参加して、運動をさらに進めたい」と決意を語りました。
  そのほか「組合共済はまだまだ大丈夫だと思っていたが、きょうの話を聞いて、その安心感が吹っ飛んだ」(県労連)、「このままではつぶされるのは必至。『懇話会』に参加して、皆さんと一緒に運動していきたい」(県民医連)、「阪神大震災・中越大震災の時、組合共済の制度拡大で、被災した多くの組合員に給付して喜ばれた」(県医労連)と発言が続きました。
  最後に、「自主的な共済を守るために私たちと運動を広げましょう」の決議を満場一致で採択しました。





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